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カワイイ市川 不動産

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「取引所での検討は筋違い」といった批判は、こうした誤解に基づいて実際に投資家が求める財務情報は、タイムリーかつ必要最小限の情報であり、法定開示書類でなければならない。 政府当局も、株式市場の効率性向上と活性化につながるとして四半期開示の制度化に積極的である。
二○○一年八月に金融庁が発表した「証券市場の構造改革プログラム」以降、取引所を中心とした制度構築を後押しするという姿勢が明確になっている。 これを受けて、取引所側は、二○○四年度からの四半期開示制度導入を表明した。
先に触れた、二○○二年末に提出された金融審議会報告でも、四半期開示の制度化は、「実務の動向を踏まえつつ、今後検討すべき課題」と位置づけられた。 もっとも、取引所主導の検討に対しては、日本経団連が否定的な見解を表明するなど、制度化への道は平坦ではない。
その背景には、この問題をめぐるいくつかの誤解があるように思われる。 第一は、四半期開示の制度化は、投資家の短期志向を強め、市場を混乱させるという誤解である。
季節的な要因で業績が大きく変動する業種では株価が乱高下するのではないかという懸念を示す向きもちろん、四半期開示の制度化を通じたディスクロージャーの充実が、企業にとって大きな負担増となるのは事実である。 制度化にあたっては、本当に投資家が求めている情報は何であるかを重視し、形式主義に走らないことが重要である。

また、商法開示と証取法開示の関係を整理し直すなど、ディスクロージャーのコストが上場企業の活力を削ぐという本末転倒の事態を避けるためにも、検討を急ぐ必要がある。 役に立たないなどということはない。
逆に、詳細な情報でも開示に時間を要するのでは、十分に活用されないおそれがある。 その点、東証が示した「要約版の損益計算書と貸借対照表」という方針第三は、東証が打ち出した二○○四年度からの制度化は拙速に過ぎるという誤解である。
既に東証一部、二部でも二○○社以上が、自主的に四半期開示を行っている。 ところが、開示される情報の範囲や依拠する会計基準はまちまちである。
東証マザーズと大証ヘラクレスの制度にも相違点がある。 こうした不統一を解消することは、投資家の誤解を生じさせないためにも喫緊の課題である。
なお、この点については二○○三年八月、東証が義務化までに三年の経過期間を置く方針を明らかにし、いずれにせよ、ディスクロージャーの強化、充実は、制度改革の課題であるとともに、企業の意識改革を伴わなければ実効性を発揮しない。 制度上強制されるから仕方なく開示するというのではなく、資本市場を本格的に活用するという経営戦略上の重要課題の一環として、積極的に情報開示を進めていくことが、いま上場企業に求められているのである。
ディスクロージャーの充実を図るには、企業情報が開示される頻度を高め、開示される項目を見直すことも必要だが、もう一つ前にやるべきことがある。 ディスクロージャーの根幹をなす財務情報に対する投資家の信頼を確保することである。
一見充実した情報開示を行っていても、肝心の情報の内容が疑わしいものであっては、何の意味もない。 もちろん、虚偽、あるいは投資家に誤解を生じさせるような情報開示は、ディスクロージャー義務違反として厳しく処断されることになる。
ところが、ディスクロージャーの先進国といわれてきた米国において、鼠も基本的な開示情報である過去の財務情報の正確性に対して、疑いが投げかけられるという事態が生じた。 二○○一年一○月に大手エネルギー企業エンロンが、自社の財務情報に深刻な問題があることを公表したことに端を発した、不正会計問題である。
社会的批判を浴びた一連の事案の中には、明らかに違法な粉飾決算から違法とまでは言い切れないものの、投資家にとってわかりやすい開示ではなかったというものまで様々なケースが含まれていた。 いずれにしても、負債として計上されるべきものが、特別目的会社(SPE)との不透明な取引の下に隠されているとか、費用として計上されるべきものが、設備投資として資産計上されているといった指摘が相次いだことに、投資家は不信感を募らせた。

これによって、二○○○年半ばのネットバブル崩壊と二○○一年九月の同時多発テロ発生で停滞色を強めていた米国の資本市場は、更なる打撃を受けた。 証券市場の監督機関であるSECや司法当局も、この問題に厳しい姿勢で臨んだ。
これまで、会計上の不正は、一部の専門家にしか理解できない技術的な問題とみなされており、違法行為が露見しても、SECによる制裁金が課される程度ですまされがちだった。 しかし、一連の不正会計事件では、有力企業のCEOやCFOが何人も逮捕され、刑事裁判にかけられることになった。
企業改革法の内容は、証券詐欺に対する罰則の強化や時効の延長、企業経営者に対する財務諸表の真実性に関する宣誓の義務づけ、SECの予算拡充や権限強化など多岐にわたっている。 中でも注目されるのが、公認会計士に対する監督制度を抜本的に改めたことである。
企業改革法は、これまで米国公認会計士協会(AICPA)による自主的な規制に委ねられてきた会計士に対する規制・監督を強化し、SECの監督下におかれる新たな規制機関である公開会社会計監督委員会(PCAOB)を創設することとした。 PCAOBは、政府機関ではなく、民間の非営利団体という位置づけだが、SECの監督下で公的な役割を担っている一種の自主規制機関である。
株高を譜歌した一九九○年代を通じて、米国民の多くは、自ら個別株式や投資信託に積極的に投資するとともに、四○一(k)プランに代表される確定拠出年金制度を通じても、投資信託や勤務先の自社株への投資を行っていた。 バラ色の引退生活を夢見て証券投資に勤しんできた大衆が、資本市場の仕組みに対して根本的な不信を抱けば、米国経済そのものが立ちゆかなくなるおそれすらある。
危機感を抱いたブッシュ政権は、連邦議会と手を携えて、ワールドコムによる巨額粉飾決算が明るみに出た翌月の二○○二年七月、異例のスピードで企業改革法(サーベンス・オックスレー法)の制定にPCAOBは、米国市場で株式を上場している会社など、SECに対して発行開示書類や継続開示書類を登録する義務を負う会社(いわゆる公開会社)の会計監査に従事する会計事務所の登録を受理し、それらの事務所が遵守すべき職業倫理やサービスの品質確保に関する規則を制定する。 また、会計事務所に対する定期的な検査を行う。
これまでも、SECが、証券法違反を犯した会計士に対して、行政手続きによって資格を停止したり剥奪したりすることは可能とされていたが、会計事務所に対する定常的な監督は、AICPAに委ねられていた。 また、とりわけ注目されるのは、PCAOBが会計基準の設定に携わる財務会計基準委員会(FASB)の運営資金を賄うものとされていることである。

ちなみに、PCAOB自体の予算は、PCAOBへの登録を義務づけられる会計事務所から徴収する手数料と、公開会社から徴収する監査維持手数料とによって賄われる。


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